Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
露伴の艶本
中学時代の私が芸者の卵たちに笑われたのより、もっとひどい。
年がら年中、床屋に行かない。のびすぎれば、自分でチョキンとやる。というのは、こっちも同格だから驚かない。
謹厳そのものの顔で私を見て、
「田牛の読み方は、ご存知でしょうね」
「タノモウですね。最初は、びっくりしましたよ」
「頼もう……などと、気取った声を出さなくとも、あれがあれば、済みますからね。金や物ばかりでない。声だって、出さずに済むものは、その方がいいです」
「同感です」
「日本人が、そこまで始末する気になれば、貧乏日本も、五年間で立ち直るが、学生までが、巻煙草をスパスパやる有様では、とても、とても、だ」
市長になって、市政の上にも、北雷式を押し通そうとしたが、結局は、奇人市長だけに終って、名市長とまではいわれなかった。七十四歳で、自邸の二階から落ちて死んだが、ともかくも、あんなにおもしろい先生は、なかった。
露伴の艶本
谷中の五重の塔も焼けてしまった。
幸田露伴の名作『五重塔』を、少年の日の私は、どれほどの感激をもって読んだことか。
私が逢った頃の露伴博士は、『風流仏』や『一口剣』の創作旺盛時代から自然を愛する年配になり、碩学としての存在になっていた。