Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

平次は実在の人物か

生れは、岡山の片田舎のくせに、江戸っ子を絵に描いたような荻舟君が、これこそ、まじりッ気なしの、江戸ッ子一本のおみつ夫人と、万事、下町ごのみに暮していたのを、私も幾度か、のぞいた記憶がある。銅壺も、長火鉢も、それこそ、かげろうが立つほど磨かれているのに、感心したり、キモをつぶしたりした。岩手に生れ、東京では山の手ばかりに暮した私が、江戸を書くようになったのは、川柳と、寄席と、浮世絵と、いろいろの影響があるけれど本山荻舟住居の段も、なにがしかのイメージになったかもしれない。

とにかく、大体の腹案が立って、「オール読物」の創刊号……昭和六年四月号から銭形平次は誕生した。むろん、私も菅忠雄君も、半年か一年のつもりだったのだが……。

平次は実在の人物か

銭形平次は実在の人物か。

このくらい、人からきかれた問題もない。三十年前もきかれたし、どうかすると、今でもきかれる。

ところで、話は、もう五、六年さかのぼる。私はまだ銭形を書かず新聞社の学芸部長をやっていた。吉川英治氏の『江戸三国志』が映画化され、社の講堂で試写会があった。映画の前に、吉川氏の講演があり、私は部長として挨拶することになっていた。