Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

楽しい時代

「むかし、レコードの話をききました」

と、言ってくれたこともある。

楽しい時代

映画は芝居でなく、写真は本人でない。レコードなどというものは……という人は、西洋音楽の黎明期の、殉教者のような、ひたむきな気持ちを知らないのだ。

ベートーヴェンの第五も第九も、あるいは「荘厳ミサ」も、レコードがあればこそ聞くことができたのだ。

久邇宮邸へは、毎週一度ぐらいずつ呼び出された。当時の皇族、朝融王殿下は三十年にわたるファンでもあり、一流のレコード蒐集家でもあった。私の家へ訪ねてきて、

「割に、立派な家なんだね」

と、びっくりされたこともある、宮様などというものは、平民はみんな、六畳二た間くらいのものと、思っていられたのかもしれない。

大隈、徳川、鍋島、前田、三井、岩崎など、当時の華族の御曹司も、なかなか熱心なファンぞろいで、私の茅屋へ自動車を乗りつけて、近所のおかみさんを、びっくりさせる人もあった。若い情熱の赴くままに、夜が更けるまでもレコードをかこんだ。

三井十一家のうちの室町家の当主、三井高大さんが私のうちへ来て、夜がおそくなり、私の家内に向って、

「おばさん、二十銭貸して下さい。