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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

彼と並ぶということは、必然的に、二人前の料理を腹に納めざるを得ないのである。

どうも、話が、さもしいことになってしまったが、要するに私は、昔から食欲においては、決して人後に落ちないのである。好きでたまらないというほどのものもないが、特にきらいというものもない。何でもいいから、沢山たべる方に賛成なのである。木村義雄名人と三十年も机を並べて、ついに駒の歩みも覚えなかった私は、荻舟と五十年間親しくして、結局、食通になれなかったのである。

あれは、一高の二年生の時だったと思う。どうした風の吹き回しか、例月よりは、いくらか余分に、お小遣いが来たことがある。私は、この時とばかり、東大正門前の果物屋(今もあるだろうか)へ飛んで行った。

恥かしい話だが、私はバナナというものを東京へ来て、はじめて知った。嘘もいつわりもなく、世の中にこんな美味いものが、またとあるだろうかと思った。

だが、貧しい学生のふところでは、思う存分バナナをたべることなどは、西王母の桃を腹一ぱい食うよりも、もっと、はかない望みだった。三本一山の黒ずんだやつでなく、店の突き当たりに、王者の如くかざられた真珠色の大きな房を、どんなに恨めしく思ったことだろう。