Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
「勉強なんぞ、どうでもいい。うんと食べろ。運動をやれ。陽のあたるところで、ピチピチはね回れ」
この教育方針が、大いに功を奏しすぎて、タテにも、ヨコにも、ぐんぐん生長し、夫(東大教授松田智雄)とならぶともう少しで、背の高さを追い越しそうだ。
「主人と一緒に歩く時、ハイヒールをはけないから困るわ」
と、こぼしているが、なあに、気にすることはない。前に、食物の話を書いた時、人間は、頭よりも胃の腑が大事だ。モリモリ食べて長生きすれば、青白き秀才の三倍は仕事が出来るといったのは、私にとって、心底からの実感である。
稔子には、男一人、女一人の子供がある。つまり現在の私は、老妻と、娘夫婦と、孫が二人というわけである。ウジャウジャするほどの孫や曽孫に取りかこまれている人たちにくらべて、さびしいといえばさびしいが、世の中には、たった一人の肉親さえなくて、広野の一本杉のように生きている人さえ、少なくないのだ。
私は現在、東京でも有名な養老院と、道一筋の隣に住んでいる。身寄りのない老人たちの日常を、朝な夕なにながめている。
二、三年前の秋のことだった。その老人の一人が私の家へ来て、和歌の選評をしてくれという。