Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
「書斎兼客間兼居間」と自称する南向きの八畳は、壁にも、襖にも地図が一面に貼ってある。
「さすがに、旅行ずきだけありますな」
と、おだてると、
「はッはッはッ」
と、豪傑笑いして、
「これは、からかみの破れたのを、隠すためです」
それにしても、あんまり、地図が多いのには、キモをつぶした。
やがて酒の話になると、
「ボクは(桂月氏は何時でもボクといった)十二の年から叔父の厄介になりました。叔父は、軍人で、酒呑みで、毎晩、五、六人の酒客がある。ボクも相手をさせられる。酒も飲め。ケンカもしろ。しかし、勉強もしろ。というわけで、こういう具合に、脛押しをやらされる。どんなに痛くても、痛いといってはいかん……」
「豪傑教育ですね」
「うん。豪傑教育です」
床の間に、一ぱい積み上げてあるヒョウタンの中から、自分で二つ持ち出してきて、
「ヒョウタンには、酒の味のよくなるのと、悪くなるやつとがある。表面のツヤのいいやつは、実は大抵駄目なので、こういう風に、見掛けの悪いのが、いいんです。ビードロで燗をするような、近ごろの連中には、分らんじゃろうが……」
桂月氏には、教えられたところが多い。