Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
東条英教と田中館博士
東条英教と田中館博士
東条英機大将に逢ったのは、彼が総理大臣になった後である。勝子夫人と私の家内とは、女子大の同窓関係で知り合っていたようだが、私は若い頃の英機大将を知らない。その代り、父親の東条英教中将には、いろいろな思い出がある。
むかしの南部藩。今の岩手県出身者で南部同郷会というのがあった。鹿島建設社長、鹿島守之助氏の先代、精一氏あたりが力こぶを入れて、年に二回くらい集まった。若い会員の学生は、安い会費で鱈腹呑めるし、古い連中は懐旧談がたのしめるので、毎回、大入り満員であった。
私が東大在学中だから、明治四十二年だと思う。会場は、神田の三河屋……と記憶しているが、あるいは、違ったかも知れない。とにかく、当時の最新流行である牛肉屋の二階だったことは間違いない。
お国なまりの大演説が幾つか続いて、田中館愛橘博士が立ち上がった。
東大教授、学士院会員として、最も油の乗り切ったところ。アゴヒゲも、鼻ヒゲも房々として五十三か四であったろう。
コペンハーゲンに万国測地学協会の総会があり、そのついでに、欧米各国を視察して、帰国したばかりのところである。軽気球の話かなんかを一席やって、イギリスの公衆道徳に話題を転じた。