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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

「……ふむ。それも一理ある言だな。しかし、まだ天下はほんとに治まっていないし、朝廷におかれても、この曹操にかわって、扶翼し奉る人がおらぬ。朝野の安危を見とどけずに、身ひとつ閑地に楽しむのは、曹操の心にそむくことだ」

「その辺は、ご心配ないでしょう。劉玄徳は、天子の宗親。彼にまかせれば、大王がおられるよりも、万民は安んじ、朝廷もご安心になろう」

見る見るうちに曹操の顔は激色に焦きただれた。老来、これほど露骨に青すじを立てたことは珍しい。

「よく吐ざいた左慈。果たして汝は劉玄徳の廻し者であったことよ」

有無をいわせず、武士たちは左慈を縛めて、獄へほうりこんだ。数十名の獄卒は、かわるがわるに左慈を拷問した。酷烈な拷問のたび獄庭に聞えるのは、左慈の笑い声だった。

「この上は眠らせるな」

鉄の枷で、首をはめて両の足首を鎖で縛り、そして牢屋の柱に立縛りに立たせておいた。

ところが、すこし時経つと、すぐこころよげな高鼾が洩れてくる。怪しんで覗いてみると、鎖も鉄の枷もこなごなに解きすて、左慈は、悠々と身を横にしていた。

曹操は、聞いて、

「食水を与えるな」と、一切の摂り物を禁じた。