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Japanische Klassiker mit Furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも有難う」と組紐のお仙、北へ向かって走り出した。

「お吉さんより先廻りをし、どうでも道人様のお住居を、突き止めなければ女が廃れる、いやいやそれより宗さんを、他の人に取られてしまう! それこそ泣くにも泣かれない。江戸から追って来た甲斐もない」

ドンドンドンドン走って行く。はたして一筋の谷川があった。でそいつを遡った。間もなく洞然たる沢へ出た。いかにも大蛇でもいるらしい、陰湿とした沢である。巨大な杉が仆れている。草が一丈も延びている。腐木腐葉で地面が蔽われ、踏む足ごとにズボズボとはいる。空を遮っている樹木の葉! 日の光さえ通さない。生ぐさい匂い、気味の悪い物音、サラサラサラサラと風が渡るようだ。しかしそれは風ではない。無数の蛇が草を分け、八方に向かって逃げるのである。

と、行手の坂道に、巨大な老松が立っていた。「あれがそうだろう、一本松!」お仙そっちへ走って行った。

坂をドンドン上って行く。次第に坂が嶮しくなる。しかしお仙休もうとさえしない。

上り切った所に大密林! と、林の遙か奥から、銀箔のようなものが光ってみえた。

「湖水に相違ない! 湖水に相違ない!」