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Japanische Klassiker mit Furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme

Aozora Bunko

聞くがいい。帆鳴りの音を! まるで唄でもうたっているようだ。順風! 順風! いい航海だ!」

ひどく太郎丸はしゃいでいる。

それにはそれだけの理由があった。

想いを懸けた浜路をはじめ、仁右衛門、宗三郎、お仙などという、自分に刃向かった者どもを、一人残らず引っ捕え、胴の間の奥に一つにして、監禁をしてあるからであった。所は船中、周囲は海、あたりにいるのは味方ばかり、少しも邪魔される心配はない。以前には脱牢を企てられたが、今度はそんな心配はない。で、思うままに振る舞うことが出来る。そこで悠々と構え込み、珍味は薩摩へ帰ってから! こんなことを考えているのであった。

もっとも心外な点もある。いや大いに心外なのである。宗春を一味に加えそこなったこと! 何と云っても心外である。しかしその代り名古屋を去る際、思うまま武威を示したことが、多少心を慰めてはいる。

「一切は薩摩へ帰ってからだ! 新たに計画することにしよう」

そこで今は何を置いても、早く薩摩へ帰りたいものと、それを願っているのであった。

太郎丸背後を振り返って見た。

二隻の僚船が従いて来る。一杯に帆が張られてある。