Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
けれども、そうも思ないとわかった。彼の心持が浮薄でなく、自分もそうでなく、人生と云うものを何だか異った真剣さで見られるところに、一種の悲痛な快感があるとさえ考える。彼の病を、仮定して考えれば、自分にだってうつって居ないとは云えない。ちゃんと、人間の運命を頭の上に感じてやる丈をやろうとする心は真なものなり。肥って、苦がなく、甘えて居るのとは異う。
寺沢氏(女、学、の医者)は、一時頃来てくれると云う。十一時前、それでは一時間も書こうと思って私は机の前に座った。そして、心を落付ける為、朝書いたばかりの『女性日本人』を見た。萌黄と赤の実に古い、四十五年時代の遺物のような表紙を見、一つトク名で注意してやろうか等と思う。それから原稿に向う。書きよいところであるのは分って居るのが、どうも書こうとすることが、きっちり脳に写らず、ぼやけた写真を見るようだ。やめ、今度は、よみかけの、文学評論をとりあげた。アジソンとスチールの比較で、二人のウィットは、一方は細かで仕あげが見事だが後者は無邪気で、活発で、男性的であると云う半頁ばかりをよむ。いつの間にか、心づくと自分は、此本も伏せて居た。