Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
窓かけは、ぼってりと重い真紅の色である。
それらは、別に驚きもしなかったが、キモをつぶしたのはロウソクである。玄関にも客間にも、電灯というものは一つもなく、昔ながらの百目ロウソクが、見事な燭台に林の如く立てつらねてある。
明治の初年なら、いざ知らず、大正年間のロウソクは、偉観であった。半白の髪を、きちょうめんに分けた老伯は、ロウソクの光を背にして言った。
「人間は、丈夫が第一だ、生きているとしても、耄碌しては駄目だ。維新の同志が、みんな死んでしまった中に、私一人が達者でいるのは、鍛練をおこたらないからだ。それを話してあげてもよいが、今の者には、真似が出来まいな」
皮肉な微笑で、こちらを見る。
「朝は、まず、五時に起きる。それからすぐに、どんな寒中でも、風呂場へ行って水をかぶる。肩から胸へ、五杯か六杯、ザブリと浴びて、それが済むと一時間の散歩だ」
間食は一切しない。お酒は、晩酌を、きっかり一合、そのあとで、また散歩。夜は、どんなことがあっても十時に寝る。
「夜の宴会は、出席しない。やむを得ず出かけても、十時までには帰って寝る。これが出来れば、私の年くらいまでは、必ず生きる。