Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
毒ゼリは、別名を玉ゼリともいって、植物図鑑によると、
「人家付近の沢地に自生し、葉はセリに似ている。全草、ことに根茎にシクトキシンなる猛毒を有し、誤って食すれば死に至る。曙水仙、花ワサビ、水竹蘭、延命竹などとも称される」
生れながらの田舎育ちなら、知っていたかも知れないが、ちょっと見ては、セリにそっくりである。延命竹というとあるが、延命どころか、大変な劇毒である。
変をきいて、私たちが駆けつけた時は、もう、手を施すべきすべがなかった。
「強直性のケイレン、よだれ、脈搏の極度の不斉」
と、図鑑に書いてある通り、全く正視に堪えなかった。私は、今までに、これほど、凄惨な死に方を見たことがない。
これからのち、私は捕物小説に、しばしば毒ゼリを登場させることにした。
捕物帳では、ピストルも、自動車も、青酸カリも使えない。道具立てが少いだけに、人間の心と心との触れ合いが主になって、それだけに内面的だとも言えるのであるが、怨恨から人を殺そうとする場合、何時も何時も、丑の刻まいりというわけにもゆかない。
石見銀山のネズミ捕りという手があるが、あれは、そう簡単に死ねるものでないし、それほどの劇薬ならば、市販を許すはずもない。