Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
それ以来の長いおつきあいで、戦時中に訪ねた時は、例の三十坪の書斎に、小さな手あぶりを持ちこんで、
「燃料が不足だと、広いのは寒くていけません」
と、あきらめたような顔をされたが、原則的には、やはり広い方がいい。
洋間がいいか。日本間がいいか。
これは、銘々の好みにまかせるほかはないが、私自身は椅子でないと仕事ができない。現在の書斎は、南と東のまどに、日本風の障子をはめてみたが、こいつは大成功だった。紙を通して来る光線は、なんともいえないやわらかみがあって、洋間に紙障子というのは、今に世界的の流行になるのではないかと思う。
もっとも、こんなぜいたくがいえるのは、ここ十数年来のことであって、銭形を書きはじめた頃までは、借家ずまいの上に、子供は勉強ざかりであったから、親父の私には居間一つしか自由にならない。食事の時には食堂になるし女房は縫いものをひろげにかかる。
「この中で、よく書けるねえ」
と、訪ねて来た友人が、びっくりしたが、新聞社の編集局のことを思えば、ものの数でない。
要するに、書斎がどうのこうのというのはいいわけでなければ、見栄っぱりだ。書ける時には、どこにいても書ける。