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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

瓢箪も携えず、徳利も用いず、何時でも、ガラスの三オンス瓶である。

「先生の三オンスは、天下に有名になりましたね」

と、水を向けると、

「は、は、は。これが私の定量でしてね。写生第一よりも健康第一です」

いささかの屈託もなく笑って見せる。ほんのりとご機嫌になってくると、得意の芝居絵の筆を、色紙にサラサラと走らせて、

「どうです。絵は絵そらごとと言いましてな。真実でないところが、値打ちですぞ。芝居がやはり、それと同じで、女の役を男がやるからおもしろい。事実を事実の通りにやるなら、何も芝居である必要はない。あんた。そう思いませんかね」

この漢学の大家にかかっては、女形は永久に女形でないと困るのである。あとで考えるとおかしいと思うが、白い山羊ヒゲの口から聞いている間は、それもそうか、と思いこまされるから妙である。

流れ木のだぶりだぶりと春の川

午睡覚めて尻に夕日の暑さかな

などという呑気な句は、鳴雪翁の、あの脱俗の風貌を知っていないと、おもしろ味が半分になる。

さて、互選も一段落となったところで、お待ちかねのシイタケ飯である。御飯にシイタケをたきこんで、うすく味をつけただけの、あんなものが、どうして、あれほど美味しかったのだろう。