Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
幼にして郵便切手を集め、長ずるに及んで雑書を集め、尊敬する人の筆蹟を集め、やがて武鑑から川柳書に及び、さらに広重と北斎を集めた。その中で、一番多く、一番熱心だったのが、レコードだったということになる。
なんのために? ときかれると、答は簡単明瞭である。この耳で、よい音楽をききたいためだったのである。
一日中ラジオが鳴りつづけ、毎晩のようにどこかで音楽会の開かれる今の世の中からは信じられないことであるが、大正十二年の関東大震災以前までは、ナマの西洋音楽は、容易なことでは聞けるものではなかった。上野の音楽学校の土曜コンサートか、たまに軍楽隊の公開演奏があるくらいのもので、ワグナーやベートーヴェンをきく機会さえ滅多になく、ドビュッシー、ストラヴィンスキー以後の近代音楽に至っては、ほとんど夢のような望みだったのである。
クライスラーが日本へ来た時、私は身体をこわしていたが、医者と喧嘩してまで帝劇へ聞きにゆき、とうとう一生一度の大患いをしてしまった。そうした西洋音楽への渇望がレコードに活路を求めたのである。
最初に買ったレコードが、何であったか、正直のところ記憶していない。