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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

電車賃が足りないのです」

といった。家内はすっかり喜んで、

「ええ、お貸ししますとも。その代り、最初におことわりしておきますが、決して、返して下さってはいけませんよ」

それは、そのはずである。

金二十銭也のことで、天下の三井財閥にお金を貸してあると、未来永劫威張ることが出来るとしたら、これは、返してもらわない方がよっぽどありがたい。しかし、誠に遺憾なことには、この二十銭は、たしかに返済されてしまった。

こうした人たちと反対に、貧しい学生諸君も多かった。昼飯を抜いてレコード代にあて、インクを水でうすめて食い延ばしをして、月に一枚のレコードを買うという人もあった。

「いくらレコードが好きでも、身体には代えられないではないか」

そういう意見めいたことをいう私自身も、月給の全額、あるいは月給以上の額を、レコード屋に運んでしまって、女房の働きで暮していたのである。

新聞社の月給というものは、なかなか、上らないもので、私が七十円で足踏みしているうちに、女房は六十九円になった。まごまごして追い越されると、男児の面目が立たぬから、一喝して、女房をやめさせてしまった。