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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

レコードの課税もひどいと思ったが、これには、もっとびっくりした。

なるほど、数は二十もある。しかし、使えそうなのは、戦争中に、やってしまい、残るのは蝋管だの、手回しだの、ビクター零号などという博物館的の記念品ばかりで、物の役に立つのは二台しかなかった。

レコードが原稿を書かしてくれるというが、私の場合、音楽が仕事の伴奏になるのは、思想がよどみなく流れる時。つまり筆が快調に進んでいる時である。案が一向にまとまらず、頭がイライラしている時は、音楽は、かえって邪魔になる。

だから筋立てが一応出来て、筆と頭脳がスタートした時、私は、愛用のレコードをかける。静かに、静かにスイッチを入れる。

私が世田谷に住んでいたときである。三年越し隣に住んでいたSさんが、ある日新聞を見ておどろいて、

「あなたが、レコードのあらえびすさんですか」

と、とびこんで来たことがある。音楽評論が商売ならば、今までに、少しは、音波がもれて来そうなものだというのである。

私は、自分の流儀として、夜分、雨戸をしめた後でない限り、気をゆるした音量には、決してしない。蓄音機のふたをしめ、ソフト・トーンの毛針で、しんみりと聞いていたからである。