Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
「年をとると、友達が少くなる。キミとボクだけは、何時までも付き合おうよ」
そんな子供っぽい手紙を軽井沢へ、何回もよこした。そのくせ、自分は東京を離れようとしない。
終戦になって、東京へ戻った私は、いの一番に上司氏を訪ねた。上司氏は、大作『東京』の第四部の筆を起すのだといって、その構想を熱心に話した。
やがて昭和二十二年四月。氏は芸術院会員に推された。さっそくお祝いをいってやると折り返し、ハガキで返事が来た。
「辞退するほどのものでもないから、人さわがせをせずに黙って頂戴した」
と、書いてあった。
往年幸田露伴氏が、文学博士に推挙された時、
「辞退するほどの値打ちがあるものでもない」
といったのは有名な話であるが、上司氏もなかなか、味なことをいうものだと思った。
「博士になんか、なってやるものか」
という漱石流のタンカも、大向うには受けるだろうが、私はむしろ「辞退するほどのこともない」といった上司小剣の、淡々たる心境をおもしろいと思う。
話は、ずっとさかのぼるが、藤原義江君が外国から帰り、以前の戸山英二郎時代とは、心機一転して、楽壇にデビューした時のことである。