Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
私の書く「あります調」は、こうした「言文不一致」への、ひそかなレジスタンスでもあるが、個人的な動機からいえば、泉鏡花氏の影響を振り捨てるための手段でもあった。
白状すれば、中学時代の私は、すっかり鏡花に傾倒して、世の中に、これほどの名文がまたとあるだろうかと感心した。明治三十年から、三十二、三年にかけて「辰巳巷談」「湯島詣」「高野聖」などは、ほとんど暗誦するほどに読んだし、鏡花ばりで作文を書いたり、新聞に載った短文までも切り抜いた。それが三十七、八年の「風流線」のあたりから、癖の強い文章と思想に疑問を生じ、どうやって鏡花の影響から脱出しようかと、そのことばかりに骨を折った。絢爛をきわめた鏡花調に対抗をするための、あります調といえないこともない。
それと、今一つ。私は出来るだけ会話で筋をはこぶことを考えて、実行して来たつもりである。地の文を多くすることは、作者の独断や、ひとりよがりがはいって面白くない。
会話をふやすことによって、実際の話し言葉に、ますます近づくことが出来ると思うのだ。
あるアメリカの学者から、直接きいたことであるが、日本語で一番、閉口するのは、書く言葉と話す言葉の違っていることだそうである。