Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ抱琴が、ほとんど毎日のように来た。のちに大使になったという仏法科の友人と二人づれが多く、静かにランチをたべていた……と、手紙はそこから始まっている。

「私は、何かのことでプンプンしていたら、原さまは、ノートのはしに俳句を書いて、私をからかった。その句は今でも覚えているが、きまりが悪くて、ここには書けない」

と書いてある。当時十九の美少女は、真赤になったことであろう。四十五年後に手紙を書きながらも、あるいは、頬を染めているのかも知れない。

「原さまが、風邪をひいて寒がっていたので、私は行李から新しい私のあわせを出して、着せかけてあげた。その縞がらが、今も、目の前にうかんでくる」

「赤十字に入院されたときいて、お手紙を差しあげたところしばらくたって、郷里の盛岡から岩手富士の絵ハガキが来た。その中のフランス語が読めないので、お店に来る商船学校の先生に読んでもらった」

「原さまが、生きていらしたら、どんなに世の中のお役にたったことでしょう。私の名前を申し上げないのは失礼だが、もし、お許しいただけるなら、原さまの命日を、新聞の片隅ででも教えていただけませんでしょうか」