Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
私は綺堂先生に逢ったことはない。前半生を新聞ですごし、政界、官界、財界の主要な人間とは、大抵逢っており、文壇人も、ほとんどが面識はあるのに、綺堂先生にだけ、一度も逢っていないというのは不思議である。だが、五度や七度、逢ったことのある人よりはその精神に触れているつもりだ。
岡本綺堂先生の半七は、ともかくも、日本の文壇には、大きなエポック・メーキングであった。一部に、多少は、毛ぎらいする人があるにせよ、大衆に愛されて育ってゆくことは間違いない。綺堂先生は、『新皿屋敷』や『修禅寺物語』だけでも、恐らく、不滅であろう。しかし、多くの大衆にとっては、半七捕物帳のない綺堂は考えられないことになってゆくのではなかろうか。
コナン・ドイルはその自叙伝で「もしも私が、シャーロック・ホームズなどを書かなかったら、文壇的には、もっと高い地位をかち得たろう」といっている。コナン・ドイルとしては当然の述懐であろうと思うが、われわれ日本の愛読者にとっては、シャーロック・ホームズを書かないドイルなんぞは、それこそ、縁なき衆生である。
私は、急に愉快になって、菅君にいったものである。