Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
の場合を一つの例として、創作の出来てゆく手順を書いてみよう。
当時、私は、新聞社の第一線は卒業して、毎月、月給はもらっているが、責任といえば、川柳の選をするのと、時々、小説を書くことだけだった。
「今度は一つ、大長編を書いてみませんか」
と、いわれて、まず、考えたのは、主題を何にするかということだった。
その時、映画「三文オペラ」が我国へ来た。クルト・ヴァイルの音楽で、評判になった名画であるが、私はこれを見ながら、
「そうだ。巨盗を主人公にしよう」
と、思い立った。ことわっておくが、私の書いた牛若の金五郎と、三文オペラのメッキーとは、単に怪盗であるということのほかは性格も筋も全く違う。
その以前から、私は「東海道五十三次」という言葉に魅力を感じていた。海道筋を舞台にした規模雄大な長編を、一度は書いてみたいと念願していた。
「よし、五十三次をあばれまわる巨盗だ」
私のハラは、きまった。
そうなると、歴史上の事実として、安政元年正月に、小判三万両を携えて、京都へ上った堀田備中守正睦の、あつらえ向きの事件がある。攘夷派の公卿たちを買収するために、三万両を極秘で輸送した。