Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
ところで、誰もが、いう通り、あれは親分乾分でなくて、社会部長と部員との間柄に違いない。そうだとすれば、歴としたモデルがあるだろうというのである。
私が部長だった頃の社会部は、強いていうなら、みんながガラッ八だったとも言える。朝、出社してみると、部員の姿が一人も見えない。気をもんでいるところへ、北の方から、風の便りが届いて、見返り柳の向うの方で、全員がカン詰になっているらしい。仕方がないから、会計から金を借り出して、部員たちを受け出しに行った憶えも、何べんかある。
受け出しの手続きが済む間、渋茶をすすって待っていると、その家のおいらんが現われて、手紙を代筆してくれという。馴染みの客に出す手紙で、なるべくたくさんお金を持って、至急やってくるように、上手に書いてくれという。
ドギモを抜かれて、黙って頭をかいていると、どうして知っていたのやら、
「あなたは、小説の先生なんでしょう。あの人が、直ぐにも飛んで来るような、殺し文句を書いて下さいよ」
このいきさつは、佐藤垢石だったかが、おもしろく書いているが、垢石氏のはフィクションが多いから、あんまり、信用してはいけない。