Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
私が学芸部へ移ると、谷好文は社をやめた。喧嘩をしても、かばってくれる人がなくなったのである。その後は、鶴見祐輔氏の秘書をしていたが、若くて死んだ。
西園寺公には、私自身も幾度か会っている。第一次西園寺内閣の当時、駿河台の私邸へ文士を呼び集め、「雨声会」と号して、文学談を交わしたことは、世間周知であるが、その頃、私は新聞記者であって、まだ小説は書いていなかった。
政友会総裁としての西園寺公は、新聞記者と、あまり話をしなかった。文士と風流談は交わしても、新聞記者は下賤だから、近づけないというのだったかも知れぬ。しかし、逢えば、機嫌は悪くなく、能面と評された例の無表情な顔で、春風駘蕩たるものだった。
これと同じに、新聞記者を歯牙にもかけないといった風なのが、山本権兵衛大将だった。私は、何かの席で、そばへ寄って、ある政治問題について問いかけたのだが、
「わッはッはッはッ」
と、びっくりするほど大声で、豪傑笑いに笑い飛ばされてしまった記憶がある。
首相クラスで、腹を割って話してくれるようになったのは原敬、高橋是清から以後であろう。しかし、話すにせよ、話さぬにせよ、数多くの人間に会ったということは、後に、小説を書くようになって、なにがしかのプラスにはなったと思う。