轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

「サンデー毎日」1934(昭和9)年6月3日~10月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,597 字 · 253 页

青空文庫

門

一

――木戸銭は安いもんだよ。お子様は半額」

露八は、櫓の上から、客を呼ぶ。

小屋は蓆掛けで、車坂の空地であった。その櫓には、紅白の幕が張ってあって、

「さあ、満員にならないうちに入ッたり入ッたり、余興には剣舞もあるよ。女子供にはおなぐさみの剣舞――」

と、客呼びをやる間には、右の手に撥を把って、どうん、どうん、と大太鼓をたたき、左の手には法螺の貝を持って、ぶウうう、ぶウウううと吹くのであって、忙しいことも忙しいし、怖ろしく体力な任務であった。

毎晩なので、露八は疲れたし、本業の方も打っちゃらかしではあるが、健吉の窮状と、頼むと云われた一言で、大童になって、この撃剣見世物試合の小屋へ、力瘤を入れていた。

仲之町の芸妓に総見をさせるやら、懇意な茶屋や客に切符を売りつけるやらして、榊原の窮状はたちまちに救われてしまった。すると、それが流行となって、佐竹ッ原でも、代地でも、本願寺裏でも、食えない撃剣家が小屋掛けをして、試合の呼び出しに落語家を使ったり、いかがわしい女に壮士の装をさせて鞭声粛々を吟じさせたりして、どこも、この興行は中っていた。

「露八君、楽屋で、奥さんがおよびだ。