轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

「サンデー毎日」1934(昭和9)年6月3日~10月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,597 字 · 253 页

青空文庫

二

(旦那様へ――)

お照の遺言だった。

庄次郎は、ぐわんと良心を打撃された。とうとう、自殺たかという気がした。つねづね、死にたいような泣き顔をしていた妻だ。

さすがに、声も顫えて、

「ど、どういたしましたか、お照は? ……」

「読めばわかる。井戸へ、身を投げたのだ」

「げっ。……そ、そして一命は」

「八十三郎が、気づいて、すぐ救いあげたが、助かるまい。里方へ、黙ってもおけぬ。石川主殿は、娘を殺したのは、庄次郎じゃと、半蔵殿とこのほうへ、膝づめの懸合い」

「ああッ……」

庄次郎は、髪の毛をむしッて、慚愧の眼をつりあげた。

「どうする気か」

「貴様が、腹を切るのが嫌なら、わしが切るぞ。二つに一つ、ほかに謝罪の道はない」

鉄之丞は、対い合って、草の上に坐りこんだ。

二

「まあ、まあ、そう短慮な真似をせんでも」

と、榊原は、銖之丞を制して、

「幸い、石川主殿とは、面識もあるゆえ、拙者からも、示談の口添えいたそう。――その代りに、庄次郎へ、一札書かせ、媒人と同道して、極力、先方へ謝るにかぎる。お互いに、前途のある身だ」

矢立を出した。

「庄次郎、詫状を書け」

「何と……書きますか」