轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
「サンデー毎日」1934(昭和9)年6月3日~10月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,597 字 · 253 页
ああいう質が、晩成するものじゃて」
そこへ、重助が、
「旦那様、庄次郎様は、やはり、頭が痛い、うるさいと、おっしゃって出ておいでになりませぬが」
「寝ておるか」
「夜具はたたみ、蚊帳だけ吊って、中に坐っていらっしゃるようで」
「変な奴じゃな」
だが、そういう性格も、小林鉄之丞に云われてから、急に、わが子の長所みたいに思われ、半蔵は、むしろ、欣しそうな苦笑だった。
叔父の鉄之丞は、
「ははあ、読めたよ。それには曰くがある。昨日、道場の帰り道、同門の友達に名誉の祝いをせいと責められて、ちとばかり、飲んで歩いたらしい。――庄次郎とて、もはや年。其許のように、律儀一方、堅い一方で、人間をたたき込むのも、考えものじゃて」
鉄之丞と半蔵とは、これでよく、意見の衝突をやる。鉄之丞は御徒士組同心の御家人で、半町人ほどくだけていたから、親類でも、土肥の家へ遊びに行くはいいが、酒一つ出さんから何かやむを得ぬことでも起こらなければ出向かないと、常々、冗談にも、公言していたくらいである。
「若い者の慾を、無理に、抑えつけようとすれば、隠れてやりたくなるのが自然じゃ。頭が痛いと申すのは、飲みすぎじゃろう。