轻松读懂日语经典作品
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
「歩きながら話を聞こう」と、深喜は云った。
幸坊は話しつづけた。――河内屋の隠居は諦めなかった。そして、本野や三平などに「お豊を稽古場へかよわせてくれ」と頼んだ。そうすれば、かれらにも手当をやろう、というのである。そこでかれらは「おまえの身のためだから」と、しきりにお豊をくどいた。
だが、お豊は信用せず「あんなじじいの囲い者になんかなるもんか」とはねつけていた。
そのとき、平手さんが長屋へ来たのさ。
と、幸助は云った。
お豊は深喜が好きになった。それで、うるさい隠居や、三平たちから逃げたくなり、深喜といっしょに長屋を立退いたのであった。
「すると――」と、深喜は訊いた、「あの三平や御家人くずれの本野などは、まんざら悪い人間でもなかったんだな」
「だらしがねえだけだよ」と、幸助は鼻をしかめた。
女が一人で、そういうしょうばいをしていれば、地回りなどがすぐ因縁をつけるか、しょうばいの邪魔をする。それで、三平たちはお豊の用心棒のようになり、彼女の稼ぎから割を貰うのであった。
それもお豊の機嫌しだいで、「客が幾人あったから幾ら」ということはなく、お豊の気が向いて、呉れるだけしか貰わなかった。