轻松读懂日语经典作品
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
――おれは薄情なつもりではなかった。
彼はお豊をまじめな女にしようと思い、そのために努力した。
――そこが、くいちがっていた。
お豊は、ただ深喜を求めていたのである。深喜がもっと、お豊の気持を理解していたら、お豊の求めに応ずるか否かはともかく、もう少しあしらいようがあったであろう。だが、彼には、そんな気持のゆとりはなかった。彼には目的があり、その目的を達成することのほかは、少しでも心を労することを嫌った。
「では、金杉を出てからずっと、おまえもその河内屋の世話になっていたのだね」と、深喜が、幸助に訊いた。少年は「そうじゃねえさ」と首を振った。だが、そうでないわけをすぐに説明しようとはせず「平手さんは、まだお豊さんのねえさんのこと怒っているのかい」と訊き返し、それから独り言のように、おれたちと平手さんとは人間が違うからなあ、と呟いた。
深喜は唇を噛んだ。
――人間ではなく、世界が違うんだ。
彼は、心のなかでそう答えた。
本野という浪人、三平、てっぽう安、かれらも深喜が思っていたほど、悪い人間ではないらしい。お豊とかれらの関係も、堕ちた者どうしの特殊な支えあいで、実際に悪いのは「かれらの追いつめられた生活の条件」