轻松读懂日语经典作品
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
極めて色が白く、肌のこまやかな瓜実顔で、薄くひき緊った唇が紅をさしたように赤く、黒眼の大きな双眸は、いかにも賢そうな、澄んだ光を湛えていた。
――どこかで見た顔だな。
平八はそう思った。
「わたくし平手幹太郎の妹でございます」と、娘は云った。
平八はああと声をあげ「ではかやさんですね」と云った。娘はそうだと頷き、自分の名を知っていてくれたことが、さも嬉しいというように、眼と唇とで微笑した。
「平手からいつも聞いていたんですよ」と、平八も微笑した、「もう一人のつやさんという妹さんは、たしかまだ十三だったでしょう、だから貴女は、かやさんだと思ったんです」
「妹は十四になりました」
「ああそうか、年が明けましたからね」と、平八は笑った。
一人で来たのですか、と平八が訊くと、商用で江戸へ来る知人があって、その人といっしょに来た、とかやは答えた。なにか用があったのですか。はい、兄に会いたいと思いまして。平手が此処にいないことは御存じでしょう。はい、いちど手紙がまいりました。では伊達家へはいったことは、と平八が訊いた。かやはかぶりを振った。
「事情があって道場を出た、住居が定まったら知らせる、という手紙がまいったきりでございます」