Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
佐渡の二見などの三把苗植でも、楢の一枝をその三把の苗の真中に插して、ここを植えるときに田の神節を歌い、またその楢の枝を田の神降臨の目標だといったそうだが、これまたすでに植田の中のことであって、苗代においてはその苗がいかに取扱われていたかを知ることが出来ない。ところが信州などのタナン棒、または田の神さまの腰掛ともとまり木ともいう楊の木は、もう苗代の代掻きの日から立ててあって、固い家では三把の苗を、その田神棒の根もとから採ることにしている。関東の苗尺、石城地方の苗見竹、それより東北一帯にかけての家々の苗じるしは、何れも籾播き以前から苗代の真中に立てられ、それを目当てに種を撒くために存在するものの如く言い伝えているが、しかもその苗じるしの根もとに近い苗が、特に大事な苗だと思っている人は、あるのかも知らぬが私はまだ聴いていない。
何でもない逸話のように笑って語ることで、私ばかりが早くから気をつけていることは、大昔弘法大師が天竺から、稲の穂をそっと持ってござった時に、後々稲荷に祭ってやるからという約束をして、狐にその種子を芦原の中に隠させた。その目じるしに立てられたのが苗じるしの起りだということである。