Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
九
。私の方法は理論を立てて説明をそれから導こうとせず、専ら事実によって法則を見出そうとするのだから、資料の完備せぬ限りは断定を下し得ないが、少なくとも今まで集められている例証から、七日ことに正月と七月との七日が、何か特別の意義のある日であったらしいことだけは推測せられるのである。
九
それを今少しく考えて見る前に、まずこういう一年の最も有効なる節日に、いかなる災厄が除去せられようとしていたかを説いて「睡た」を流すということの必ずしも歴史なき空想でなかった例に引いて見よう。虫追いは今では害虫の発生した時だけにするが、奥州には毎年六月朔日を期して、蚤を駆除する風習もある。ギシギシという草を方言にノミノフネといい、これを室内に撒いて後で集めて流すと、蚤はこれに乗って海へ行くと信ぜられている。ジヤジヤまたは蚊の口焼き、蛭や蝮の口焼きという式などは、まるでその虫のおらぬ節分の晩、もしくは小正月の宵に行うので、炉の火に榧の葉などをくべて唱えごとをする。これに由ってあるいはこの式をヘビムカジという土地もある。
広く保存せられているのは鳥追いと土鼠打ちで、これも正月の鳥獣の少ない時に予行するために、次第に遊戯化して子供の役となり、江戸では非人の娘などがその歌をうたって門付けをした。