Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

梅若忌(三月十五日)

奄美大島ではこれを浜下りといい、遠く離れて陸前の金華山近くでは磯祭、関東では単に子供の花見ともいうが、何れも日は三月の三日である。伊豆半島のある村では、女の児が雛壇の前に集まって、ままごとをするのを磯遊びと呼んでいる。

それから考えて行くと、雛の宵の可愛いい飲食なども、本来はまた野外の楽しみを移したものらしく、しかも天龍川や相模川の川沿いで、この際に古雛を送り流し、また正月に墓所に立てて置くタッシャ木という木ぎれを集めて、煮炊きの燃料としたというのを見れば、これは一つの定まった方式であって、単なる遊戯とは言われぬものであった。全体にこの日を気味の悪い、用心をしなければならぬ日のように、考える風はまだ残っている。家の中にじっとしておらぬ方がよいので、外へ出て日を暮すというのが元ではなかったかと思う。

梅若忌(三月十五日)

旧暦三月十五日を、梅若様の日として休みまた神祭をすることは、東京付近の例だけを見ると、かの謡曲隅田川の影響のようにも解せられるか知らぬが、全体農民がそういう文芸に親しみ、これを記念する風習を一般化するということが、すでに信じにくいだけでなく、こことは全然かけ離れた東北の田舎まで、同じ行事の行き渡っている事実は、とうてい説明することが出来ぬと思う。