Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
天つ神のお宿
これは奈良朝時代に出来た常陸風土記という本の中に出ているので、この事が文章になったのは、確かに弘法大師の生まれた時よりも前であって、これには微行して来られた旅人は、御祖神であったと明らかに書いてある。大昔その大神が、富士山のところへ来て一泊を求められたのに、今宵は新嘗の晩だから、知らぬ人などは内に入れられないと厳しく断った。これに対して筑波の山の方は物わかりがよく、新嘗は慎しみの夜であるけれども、他ならぬ天つ神をお宿申さぬ法はないと、早速お迎え申して懇ろにおもてなしをした。その行いによって筑波は小さい山だが、夏冬を通して草木が栄え、お参りに来る人の数が多く、富士はあの通り積雪が深くて、人の近づき寄る者の至って少ないのは、天つ神に敬を尽さなかったためだと説明せられている。
山が新嘗の祭を営むというのは珍しいが、それは少なくともこの二つの峰が西東に見える地方では、どこの家でも皆古来の作法通りに、この一夜の祭をせぬ者がなかったからそう思ったのであろう。そうしてこの話が幾分か筑波山の方をひいきしているのは、二つの山の間とはいっても、やや東の方へ偏した村里において、語り始めたものだったからであろうと、私は考えている。