Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

蜂の養生(正月二十日)

信州の上田付近で、正月二十日をダマリ正月といい、この日は一日黙っているがよいという理由はまだ判らぬが、あるいはこの飽食の風と関係があったのではないかと思っている。この辺では恵比須講がやっぱりこの二十日で、恵比須様はこの日を済ませて、再び旅へ稼ぎに行かれると言い伝えている。

蜂の養生(正月二十日)

まだまだ多くの名称が正月二十日にはある。奥羽の一帯に古くから、この日をメダシの祝といって女の遊ぶ日になっているが、その趣意はまだ私には明らかでない。陸中の遠野ではこの日を麻の祝と名づけ、早朝に背の低い女の来ることをいやがり、来ると松の葉でいぶして祓いをした。その松の葉をヤイトヤキ、またはヨガイブシといっていたのは、めいめいがこれを手に持って村中をあるき、

よが蚊に負けな、蛇百足にまけな

と唱えつつ、自由にどこの家にも入って、自在鉤のあたりまでも燻しまわったからで、ヨガとは日中のカすなわち蚋に対して、夜の蚊をそういうのである。このまじないは他ではたいてい節分の晩に行うが、こうして二十日を用いる例も稀ではなかった。たとえば阿波の鷲敷で、「香の口やき」と称し、この日長虫の入らぬ呪いとして、灰を家の周囲に撒いていたなども、他の地方で節分の日に行う蚊の口焼きという行事とやや似ている。