Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

春おこない

宮城県石巻などでも、元は長芋を三宝に載せて神に供えた後、その芋を耳にあてて「ええこと聞け聞け」という式があり、そのために今でも長芋を耳くじり芋といっているが、その日は五月の節供ではなくて、次に言おうと思う六月の朔日であったそうである。

前に並べた若干の例にもあるように、同じ一つの行事を土地によって、異なる日に行うことは珍しくない。たとえば豆まきを大晦日の晩に、農作の占いを小正月の夜分に、綱曳は盆にも八月の十五夜にもする処がある。一年に一度は必ず行うというだけが慣習であって、期日は外部の事情に応じて、いつの世よりか改めつつあったのである。すなわち暦法よりも年中行事の方がさらに古かったということが出来ると思う。

春おこない

近江の農村の信仰生活には、不思議に多くの古風が遺っているらしいことは、過日彦根の講演でも述べて来たのであるが、今度長浜の会員三田村耕治君が調べて見ようとしているオコナイの風習も、その一例としてかなり興味の深いものである。滋賀一県のためにもまた総国の文化史のためにも、この行事の如きはすでに単なる注意の時期はすぎて、精細なる討査考察の階段に入っているのである。