Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
霜月三夜
人魚の肉という点はないのもあるが、私が覚えているだけでも紀州の吉野川のほとり、岐阜県では飛騨の益田川の岸の村、遠く北に離れて福島県会津のある村などでも、何れも庚申の晩に見馴れぬ旅人が来て、強いて仲間に入って一夜を共に過したという話がある。帰りがけに次の庚申を自分の家へ招き、見たことのない立派な家で御馳走をしたとか、その他いろいろの人間わざでない不思議を現じて、さてはあの旅人は神であったかと、心づいたことは皆同じである。
たった一つの二十三夜とのちがいは、一方ではこれをその日に祭る神とは言わずに、別の尊い神だったと伝えていることであるが、それならば何も庚申の日の出来事として記憶するわけもなく、またこの晩の話題となって、永く伝わっている筈もないのであった。つまりこの日に祭られたまう神が、不明になってしまったという以上に、青面金剛などという外来の神の名を以て置き換えられた結果、こういう古くからの言い伝えが、次第に似合わしくないものになって来たのであって、その変遷の路筋が、今はまだ幽かに二十三夜様の方の話によってわかるのである。
霜月三夜
二十三夜にお祭り申す神が、日を定めて遠い処から、降りてお出でになる神であったことは、また全く別な方面からも考えて見ることが出来る。