Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
三
ただそれ以上に歩を進めていかなる必要から最初人形を祭ったかと言う点になると、雛の細工が余りに精巧を尽した結果、かえって不明に帰した嫌いがある。それは全くこの比較調査の不可能であったためで、これを思うと林魁一君の地方で、ただ一個の焼物雛でも、新しいものを水の流れに送ったということは、学問のために価値ある記録と言わねばならぬ。
三 古雛に霊があることはしばしば耳にする所でありながら、実は今まではその理由が分らなかった。東京から西の郊外へ出て見ると、手が取れたり顔の胡粉の剥げたりした雛人形が、路の辻の小祠の付近に出してあるものをよく見かける。それが相模と甲斐境の山村に入ればいよいよ数多く、その場処も村はずれの石地蔵の傍などに、一定した送り先があったのである。それがことごとく不用になった品を、粗末にしてはならぬからこうしておくように人は考えるが、例の目なし達磨の目を入れたのなども、同じように始末するのみならず、棄てた以上はずいぶん粗末にしているから、元はやはり藁人形などと同じに、神の形代として送り出したものである。
雛を水に流すことは塩尻二九にも注意している。