Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
一〇
それを特に正月の七日目に、水のほとりでまた正月の飾り物を流すことによって、なし遂げ得るものと信じたとしたら、その根拠は果して何にあったろうか。また全国に広く分布する七月七日の眠流しと、どういう関係をもつと見るべきであろうか。はっきりとは判らぬ迄も、私は追々にその問題の核心に近よって見たい。
一〇
現在知られている事実だけに依って見ても、いわゆる七日盆の習俗には、織女牽牛の中国から来た伝説と、何等の交渉のない部分がかなり大きく、また我々の民間の星合い祭にも、かの古今集の和歌に列記してあるような、優美なる詠歎以外の感覚が加味している。たとえば鳥取県などの在方では、この日一粒でも雨が降れば、天の川に水が出て渡られぬからよいが、もしも雨なく川が渡られて二つの星が逢うと、病の子が生まれるから怖ろしいともいって、むしろこの恋愛に反感を示している。今までは誰も気づかなかったが、この日の祭壇にも瓜茄子の牛馬、もしくは初物の野菜果実などを供えることが、かなり著しく盆棚と似ている。そうして翌早朝は大急ぎで、笹竹飾り物を流しに行くのである。あるいはこの日を危険な日として、道切り注連繩張りなどの防衛策を講ずる例も少なくない。