Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

六

それである時七夕が短気を起して、機を織っておられた梭を投付けなされると、犬飼さんも腹を立てて、七夕の作っておられる瓜畠の瓜を真二つに切割ってしまわれる。それが天の川になって二人の間を隔て、終に一年にただ一度しか、川を渡って逢うことが出来ぬようになったといい、あるいはまた犬飼が母から西山の一町歩もある畠を耕すようにいいつけられて、あまり暑くて咽が乾くので、妻の七夕の止めるのも聴かず、そこに生っている瓜を食べようと思って、二つに竪に瓜を割ったら、それがたちまち天の川になった。それ故に今でも瓜を七夕に上げると、それが天の川になって流れるなどともいっているそうである。

六

以上三つの天草島の瓜話は、あるものはすでに破片であり誤伝であるかとも思われるが、共に喜界島の天上聟入、および信州小野村の瓜畠手伝の話と、各自独立に発生したものでないことだけは察せられる。それがまたどうしてこのようにも飛離れて、別々に保存せられていたろうかは、今はまだ解説し難い問題であるが、大体に昔話が至って数多くまた変化に富み、明けても暮れても人の口に上り、もしくは思い出されていた時代が、かつて我国にもあったらしいのである。