Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

耳くじり(五月五日)

それにもかかわらず、島では小座頭が流れて死んだからこの日は雨が降るといい、もし降らなければマガが天上するなどと言い伝えている。そうしてそのマガというのは何物か、もう我々には不明になっている。節供は良い日だから一層悪い霊を警戒する必要があったのだが、後にこの事情は混乱してしまって、何か怖ろしいものの来る日の如く、想像するようになったらしいのである。

耳くじり(五月五日)

五月端午の日の神と人との食物として、茅笹蒲茨等さまざまの葉で巻いた巻餅をこしらえる風は全国的であるが、別にある土地限りでこの日にする事が幾つかある。その中でかなり珍しい一つは、定まったある種の植物を以て、耳を掻きつつ唱えごとをする東北の風習である。山形秋田から津軽へかけての日本海側は、牛尾菜という草を必ず用いる。これと山の芋、またはホドの根か野老の根かを以て、耳の穴をさらえる真似をして、荘内地方では、

悪いこと聞かないように

よいことを聞くように

と唱える。平鹿郡に行くとこれを耳にあてて、えいこと聞かせてたんせと何遍もくり返すそうで、それ故にこの行事をエイコトキクとも呼んでいる。同じ習わしは秋田全県にわたって、もう百五十年も前からこの通り行われていたことは、真澄翁の多くの日記にも見えている。