Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

五

あるいは兄妹の二人が天から追い下されて、島の内をさまよう内に、妹はある農民に嫁して三子を設けた。稲麦の芒を厭うて、毎年暮春の麦の赤らむ頃から、飛羽を着て天に昇り、夏の稲取入れが終って後に、戻って来るのを習いとしていた。その夫がそれを欲せずして飛羽を匿すと、これもまた子守唄によって在りかを知り、それを着て飛んで今度は戻って来なかった。それでも時々は白鳥の首に団子を掛けて、子供の処へ送って来ていたのを、それさえ夫が嫌って、ある日弓を張ってその白鳥を射殺した、それを限りとして天と地との合図は、永久に絶えてしまったというような話もある。

五

この天と地との交通ということは、当初の羽衣説話の主要なる目標であった。それを信ずることの出来ぬ者が多くなるにつれて、追々に話の誇張は烈しくなって来たようである。肥後の天草地方に数多く伝わっている七夕の由来譚なども、たいていはまたこの類に属し、かつ前に引用した信州上伊那の話とも連絡をもっている。

丸山学氏の採集した一例では、天女の着物を匿してそれを娶った若者は、その家に一匹の犬を飼っていた。そうして二人の間に児があったことは説かない。