Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
二
の如き、前の二地方と関係のなさそうな方面にも、コイヤバと名づけて山の上の眺望の良い処に、男の児が多く集まって飲食し、それからゲンジと名づけて源氏平氏の用いたような旗に、三月三日千度戦万度勝也と書いたものを、右のコヤバに立てるということが、郷土研究(四ノ六二六頁)に報告せられている。あるいはまたこの日必ず蜊を食べるという習いが、上総あたりの産地に近い村里のみならず、海なき美濃の国、または信州の境に接した山村までに及んでいることは、それが交通盛んな平野地方においても認められぬ処があるために、かえって遠い伝来のあることを考えしめる。
二 しかもこの節の都の手振は、驚くべき勢いで模倣せられているから、我々の共同の手帳が用をなさなかったなれば、恐らくはこれ等多くの意味深き痕跡が、顧みられずして永遠に消え去ることであろう。蒐集と記録との事業の甚だ軽んずべからざる所以である。三都の読書子などは、三月の節供といえば直ぐに雛人形を連想し、外国人の著述にはこれを珍しい日本の古風俗の随一に算えているが、これが存外近い頃からの流行であり、雛の製作にも年代および地方の著しい変化のあったことだけは、もう知っている者が多いようである。