Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
三
これただ一つを聴いては合点のゆかぬことが、この昔話の中には幾つもある。第一には厩肥千駄の上に青竹を立てると、どうして天へ昇って行くことが出来たのか。第二にはアマノジャクの意地悪な差出口が、たちまち効果を生じて七夕の運命を変更したということは、どういう処から出て来た話であろうか。第三には食べるなという瓜を食べたら、大水が出たという点、これもこの一例だけでは余り突兀としていて、おかしい感じすらも起らない。
こういうのが今後の採集と比較とによって、だんだんにもとの心持が判って来ようとしているのである。簡単な言葉でいうと、これが我々の俳諧の、まだ十七字とか十四字とかいう、定まった型にはまらぬ以前の姿であったらしい。文字に録せられている現在の俳諧でも、たった二百年も過ぎれば実は半分はその言葉の意味を解する者がない。しかも連想の鍵と仲間の共鳴とがなくて、生まれた文芸は一つだってあり得ない。同じ血を分けた子孫の我々として尋ねてその動機の捉えられぬという筈はないと思う。今まではつまりその練習が試みられなかっただけである。
三
青竹の昇天も、天探女の中言も、それぞれにこうなって来る順序はあったのだが、それよりも瓜と蔓物の畠の事から始まった話だから、そちらをまず一通り片づけて行くことにしよう。