Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
信州でも何処かにまだきっとあることと思っているが、今知っているのはたった一つ、上伊那郡小野村の年中行事篇の中にそれが見えている。
昔一人の老翁があった。瞿麦の花を栽えると天人が降りるということを聞いて、庭にその種子を蒔いて見ると、果して天人が降りて来て水に浴して遊んだ。その一人の羽衣を取匿し、困っている天人をつれ帰って、共に楽しく暮していたが、馴れるに任せて羽衣を匿したことを打明けたところが天人は早速その羽衣を捜し出して、それを着て天へ還ってしまった。その折に、もし私に会いたいと思ったら、厩肥を千駄積んでその上に青竹を立て、それに伝わって昇って来いと言ったので、男はその通りにして後から天へ昇って行った。天では別に何の用もないので、畠の瓜をもぐ手伝いをしていた。そうして天人の戒めを破ってその瓜を二つ食ったところが、たちまち大水が出て別れ別れになってしまう。これからはせめて月に一度だけ逢うことにしようと言ったのを、傍からアマノジャクが、なに一年に一度だぞと言ったので、今でもこの日だけしか逢うことが出来ない。また七夕の日に青竹を立てるのはこういういわれだとこの土地ではいっている。