Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
そうして一方には中国でいう牽牛星すなわち彦星を、また犬飼星と呼ぶことは、少なくとも倭名鈔の昔からである。これにも何か特別の説話があったらしいが、それはもう埋もれてしまって、ただこの二つの言伝えを、混同せしめる因縁となっているのである。
御伽草子の天稚彦物語は、羽衣とは反対に人間の美しい少女が、天上に嫁入する説話であるが、その結末にはやはり月に一度と男神の言うのを、一年に一度と聴きちがえて、怒って薦を投げたら化して天の川となったという条がある。すなわち信州の七夕昔話のアマノジャクの中言も、起原は四五百年前に遡り得るのである。
肥後の天草の犬飼さんが聾ということも、やはりこの趣向の系統に属する。妻のたなばたひめが別れに臨んで、月に三度は逢いましょうと言ったのを、聞きそこなって三年に三度とやと答えたので、それから七月七日にしか逢えなくなったという点は、すなわちまた天稚彦の草紙と同じであった。あるいはこの犬飼が妻の逃げ去るのを妨げるために、その羽衣を畠の土の中に、埋めておいたという話も天草にはある。それを七夕さまが畠打をしていて見つけ出し、すぐにそれを着て天の川の向う岸へ飛んで行かれたというのは、まことに農民らしい空想であった。