Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
月の八日は薬師の賽日には相違ないが、この類の薬師はかえって八日という所から祭り始めたのではないかと思わるる仔細がある。陸中水沢に近い化粧坂の薬師が、昔人柱に立った京の小夜姫という女の護持仏と伝え、またこの日を以て祭られるなどはその著しい例である(郷土研究二巻六九一頁)。美作勝田郡豊国村大字上相の間山薬師で、毎年この日痩御前と称する像を人が裸になって背に負い、群衆手を叩いて「おかしやヤセゴゼ」と囃して大笑いに笑う中を、「おかしゅうも候わず」と言って些しも笑わずに、薬師堂を三周すれば福を授かると伝うる式があるなど(東作誌)、細男と関係があるらしい古めかしい風習で、やがてまた薬師の信仰が後に起ったかを思わせる。
第二に注意すべきはこの日山に登るということである。卯月八日を山登りの日とする習慣は至って広く行われているらしいが、その外にも山に斎かかる有名な社にこの日を祭日とする例は多い。近くは武州秩父の三峰神社、上州横室の赤城神社、駿河の愛鷹明神、越中の立山権現、大和では纏向の穴師坐兵主神社、東北では羽後飽海郡の国幣中社大物忌神社、同雄勝郡大沢の荒羽波岐神社、北秋田の七座神社森吉神社等、陸中石巻の白山神社、磐城倉石山の水分神社、九州では薩摩串木野の冠岳(西)神社など、何れも旧来卯月八日を以て祭日としているのである