Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
十二月七日
何かときくと、昨夜風呂場で私が妙な咳をなさるのねと云った時、血が出たのだそうだ。それから、少し気にして居ると、今日、二三度、出ると云う。どっと吐くほどではないのだろうが、相当に鮮やかな色のついたのが出ると云う。それで自分で病をきめ、私に気の毒だから、と云う、つまり、私がどうでも自分のよいと思う処理を自身につけるようにと云うのである。私は元気を出し、笑って、彼の古くさい、又子供らしい感傷を排けた。真個に病気なら病気で気をつけるだけ注意し、養生してなおせばよい。彼の心持とすれば、生活のことを思うから苦しむのだろう。自分にしろ思わぬではない。然し相手は金だ。どうにもならないで、どうかなるものだろう。
昼、四十九度、
十二月七日(木曜)曇
朝、夢を見た。Aが血を出すからと云って医者をよび、わきに居る女中に気がねしてわざわざ、少々ブラッドが出るそうでと云ったのまではっきりして居る。目がさめると、それが夢だけではなく、事実で、此から手紙をやり真個に医者に来て貰うのだと思うと、妙な悲しい心持で、涙を流した。うつらうつらし、昨夜のことが真個とは思えなかった。
世間的に見、若し真にAが肺病なら、不幸だ。