Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.285 Zeichen · 204 Bildschirme
そして両手を膝に置き、古び、インクの汚点が木地の色ほどしみた机の、滑らかな面を凝視して居る。始めて、私は、自分があわてないようにし、見え乍ら如何程、内心は動乱して居るか悟った。そして、此を書き始めた。何をしても手につかないと云うこと。私の場合では、其を露骨にあらわしてはAのためによくないと云うので一層辛いものとなる。それでも、約束の十二時迄は、此部屋から出まいとしAが私の混乱を知ると、自分も乱れよう――、時計を見い見い坐って居る。細かい心持になるものなり。恐ろしさが迫り、何でもなくてくれるように心から祈る。一刻前に悲痛な快感と対した意気は、不思議な寂しさに代るようなり。
時は、次第に流れ、往来には相変らず子供の声がし、人が通る。女中は何も知らず。然し、考えて見れば、私共二人にとって、一生の運命を或程度まで支配するクリシスが迫って居るのである。すっかり生活状態を代え、従って、まるで異った人生の局面が展開されるか、又、案外地がわれず此ままに行くか、寺沢氏の言葉が宣言であると思う。恋するときのような夢中が少ない丈、深刻なり。人生の、廻り舞台を見守るようなり。